まねき猫の部屋

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問題の種類を考える 後編

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ご訪問ありがとうございます。

「人生設計のプロフェッショナル」を目指すまねき猫です。
今週は、問題の種類の後編をお伝えします。
問題の種類がはっきりすると、取るべき行動や力の入れどころが分かりやすくなります。

目次

1.初めて読む方の為に

2.第3象限の問題とは

3.第4象限の問題とは

4.前回のブログのお礼

 

1.初めて読む方の為に

今回初めて、このブログを読まれた方の為に、簡単に前回の内容を紹介させていただきます。前回の記事を読まれた方は、下の「2.第3象限の問題とは」をクリックして先にお進みください。

次へ進む  2.第3象限の問題とは

 

問題の種類を考えるあたり、問題の定義を用いました。
問題とは、「あるべき姿」と「現状」のギャップ(差)のことを言います。

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この2つの状況をタテとヨコの軸にして、問題を分けたのが下図になります。

 

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分けた4つを説明しやすいよう第1から第4象限と便宜上名前をつけました。

第1象限は、ヨコ軸「あるべき姿」が「具体的」に示されていて、かつ、タテ軸「現状」も「顕在化」していて見えている問題となります。ギャップを認識できてるので、公知の問題発生型の問題などと言われます。

第2象限は、ヨコ軸「あるべき姿」が「曖昧・あやふや」だが、タテ軸「現状」は「顕在化」し見えている問題となります。向上問題設定型などと呼ばれている問題です。あいまいな将来(未来)への対応の問題を扱います。

さらに詳細な内容をお知りになりたい方は前回の記事をご参照ください。

  

my-manekineko.hatenablog.com

 

さて、

今週ご説明する第3象限は、ヨコ軸「あるべき姿」は「具体的」に示されていているが、タテ軸「現状」が「潜在化」し見えていなくてはっきりしない問題です。暗黙の問題隠された問題と言われています。組織のチームワークや感情のこじれなどが要因の問題などのソフトの問題が多く存在します。

第4象限は、ヨコ軸「あるべき姿」が「曖昧・あやふや」で、かつ、タテ軸「現状」も「潜在化」しはっきりしていない問題です。未知の問題創造型の問題などがあります。仕組みの問題によるハードの問題も多く存在すると言われています。

では、順に見ていきましょう。

 

2.第3象限の問題とは

 第3象限は、ヨコ軸「あるべき姿」は「具体的」だが、タテ軸「現状」が「潜在化」し見えていない問題でしたね。そのため、この問題は、暗黙の問題とか、隠された問題などと言われます。また、ソフトに関する問題も多いと言われています。

始めに、現状が潜在化(見えない状態)ということを確認しておきましょう。

分かりやすい事例は、「ハインリッヒの法則」です。ご存じの方も多いと思います。

この法則は、アメリカのハインリッヒ氏が労働災害を5000件以上を調べた所、1件の重大事故が発生する背景には、軽微な災害が29件発生しており、さらにケガには至らないものの「ヒヤリ」「ハッと」した出来事が300件あることを見いだし、経験則として発表したものです。「1:29:300の法則」ともいわれます。

 

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さて、この法則から、顕在化している災害は1+29=30件で、問題にはいたらなかった潜在化(暗黙化)している出来事が300件あることになります。この30件と300件の比から、潜在化(暗黙化)している問題は、顕在化している問題の10倍はありそうだとしています。氷山に例えると、海面から上の見えているところが顕在化している問題でおよそ1割という具合です。その海面下には9割の見えていない潜在化(見えていない)した問題が隠れているということになります。

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暗黙化された問題を、ソフトの問題を例にして、紹介します。

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「あるべき姿」が設定できているのに、どうして「現状」が見えないのでしょうか? この問題の原因の多くは、「組織文化や風土」「技能・能力」などの組織のソフト面が影響していると言われます。


たとえば、「組織文化や風土」の問題では、上位からの方針や目標に沿って「あるべき姿」は設定されている。現場もそこから現状を見て問題を発見している。しかし、正直に報告しないのです。問題無い状況だけが上位に伝わります。つまり隠しているので、偽りの現状しか見えていません。そのため、ギャップはなく問題も認識できていません。

どうして正直に報告しないのでしょう。

それは、事実を上司に報告すると、叱られたり、不利益な評価を受けるからです。そうしたことが度重なるとそのチームはだれも問題の状況を上げなくなります。現状は良いような偽りの姿だけが伝わる風土・文化が出来てしまいます。

こうしたケースは職場でけっこうあるようです。添削をしていると、「上司がすぐ叱るので問題を上げない」とする受講生がある頻度で見られました。

そして、この状態は長くは続きません。いずれ第1象限の発生型の問題になっていきます。ただ、そうなった段階では、問題は大きくなっていて対応に苦労することになります。
 

もう1つ、次は事例で説明しましょう。 

ソフトの問題における「技術・能力」の問題によって発生したケースです。現状の危険を感知するやり方を教育しなかったケースです。

 

新聞でも大きく報道されたので知っておられるかたも多いと思います。

2006年7月に埼玉県の市営のプールで、小学2年生の女子が吸水口に頭から吸い込まれて死亡しました。吸水口の蓋が外れていたのもかかわらず、監視員がプールの仕組みを教育されておらず、営業を続けたために起きた事故です。見えない状態を放置すると重大事故になる事例です。

この事例の詳細は、以下の失敗事例のホームページで見ることができます。

失敗事例 > 流水プール、吸い込まれ事故


他、人の不足・属性では、忙しくて報告を上げる状況にないとか、人手が足りなくて手が回らない、納期が遅くなったのに急いだために問題が見えなくなっているケースもあります。

 

3.第4象限の問題とは

第4象限は、ヨコ軸「あるべき姿」が「曖昧・あやふや」で、かつ、タテ軸「現状」も「潜在化」しはっきりしていない問題でした。

未知の問題とか、創造型の問題などと言われます。

また、この未知の問題は、ハードの問題と呼べる問題でもあります。

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こうした問題は、たとえば、これから新しい事業を始めようと計画を立てる段階や、いままで経験したことのない仕事を始めたばかりの段階に漠然とした不安やなんらかの予兆を持って認識されます。

他、これまで経験したことのない想定外の事象が突然に発生し、その扱いに戸惑うことになります。

この「想定外」という言葉で想像される代表的な事例に、2011年3月の東日本大地震における福島原発事故があります。おそらく説明の必要がないと思います。もし詳細を改めて知りたい方は、以下の書籍に詳しく書かれています。失敗学の権威 畑村洋太郎先生の著書です。その他の事例も含めて参考になります。

 

 

また、失敗の事例を畑村先生が主導してデーターベースとして公開しています。

こちらもとても参考になります。

www.shippai.org

 

ある時点では漠然としていたり潜在化している(見えていない)ことを、存在の予測(想定)をすることで「あるべき姿」や「現状」を具体的にイメージし顕在化することで問題として取り扱えるようになります。

こうしたことから、これらの問題を予測する問題とか、探索する問題と説明することもあります。この問題は解決プロセスにおいては、Plan(計画)などの初期段階の問題意識や問題認識に力点を置くことになります。 

ハードの問題と定義したのは、こうした問題意識や問題認識を行うための環境として、検討する仕組みやルールが存在しない。あるいはそうしたことを検討する組織が無い。さらには、戦略上の前提としている想定値の置き方に由来する問題ともいえるからです。

そのため、将来の「あるべき姿」を予測によって描き、具体化された予測した将来の姿とそれと対比する現状の姿を比較して、ギャップを抽出作業が重要となります。

新しい仕事に対して未来を想定してリスクを抽出する問題。すなわち、未来に起こることを創造して発想するので創る問題ともいわれています。

問題意識が低かったり、問題発見のスキルが不足していると見えてこない問題でもあります。また、難度が高いので、高い問題意識を持ち、問題発見力を強化する必要があります。常にアンテナを高く貼って情報収集する。研究を怠らない。など取り組む姿勢と体制を整えることが重要になります。

未知の問題や想定外の問題に幸運にも直面したら、あなたはこの領域で最先端にいる証です。ぜひ、前向きに取り組んでみてください。

 

この記事を終えるにあたりご参考まで

 ここでは、ソフトの問題やハードの問題を定義するのに用いた手法を少しだけ紹介します。マッキンゼーが提唱する「組織の7S」というフレームワークです。

ハード面は、我々が形として認識できる部分です。そこに問題があると不具合が発生します。

ソフト面は、多くは形としては認識できません。そのため、その部分で問題が起きても暗黙化しやすいと言われています。

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各要素の内容の一部を書き出すと以下の通りです。

ソフトの3S
・ 「スキル(Skill)」→チーム、個人の技量レベル
・ 「人材(Staff)」→組織としての人材の質、傾向
・ 「スタイル(Style)」→風土、組織文化、暗黙の了解
ハードの3S
・ 「戦略(Strategy)」→戦略の方向性
・ 「組織構造(Structure)」→組織体制、関係組織
・ 「組織運営(Systems)」→情報伝達ルート、業務ルール
共通するもの
・ 「価値観(Shared Value)」→社員の共通の価値観

 

以上、前編、後編と2回に分けて、問題の種類をご紹介してみました。

自分の抱える問題の種類を知ることで、解決を早めるヒントが得られます。ご覧になった方の何かの際にお役に立てば幸いです。

 今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

以下は、前回お礼をいただいた方への返信になります。

4.前回のブログのお礼

 

今回もたくさんの方から、ブックマークやコメントをいただきました。
本当にありがとうございます。

返信兼ねてお礼をさせていただきます。

 あか男さん(id:mraka2015)
→先、なかなか読めないですか…花粉の季節にもなりましたしね(^_^;。お体をお大事にしてください。ブログの4こまマンガいつもワクワク、ほわーっとしながら読ませていただいています。
 
あずおさん(id:aqua_feather)
→新たな仕組みの「あるべき姿」をうまく共有出来ると良いですね。
 メンバーの想いを1つにするのは容易ではないですが、行動が良い成果を引き寄せてくれると信じています。あずおさんの取り組みを期待しております。

りょうこさん(id:flowcare)
→毎回の応援メッセージありがとうございます。
 2軸分析のこと言及ありがとうございました。重宝する手法の1つです。
 りょうこさんが話されていたSWOT分析もいつか記事にしてみたいです。
 それと、ブログの改造の時にりょうこさんの記事も参考にさせていただきますね。

鯛さん(id:tai_mijinko)
→図解をお褒めいただき嬉しいです。「スッと頭に入ってくる」なんて私にとって最高のお褒めことばです。 時間もけっこうかかっていますが(^_^;
 鯛さんの簡単レシピや体験コーナいいですよね。毎回楽しみにしています。
 これからもよろしくお願いいたします。

くさん((id:cuLo)
→プロセスの明文化は、回路の設計図を書いたり、電気シミュレーションするみたいなものです。 くおさんはお得意そうですね(^_^)
 エフェクターの完成動画を楽しみにしております。完成していたらゴメンです。まだ、みなさんへの訪問が十分ではないです(^_^;

 

あーや様(id:Ayako28)
→いつもコメントいただき落涙しております~(ToT)
 あーや様は私の持っていない部分をたくさん持っていて、補完させていただく上で貴重なブログです。勉強させていただいています。
 トルコからご覧いただく為、大変なご苦労をおかけしていると知りました。☆ひとつご訪問の証にいただくだけで十分でございます。情勢も悪化しているようなのでお身を大切にしてください。

 

つうぷとぅん さん(id:tsuputon7)
→こちらこそ、ご訪問いただきコメントまでいただきありがとうございました。
 グラフ化少しでもお役に立てば幸いです。
 ブログ英語で格言の記事すごいです(^_^;勉強させていただきます。読者にならせていただきました。

mashleyさん(id:mashley_slt)
→「人生設計のプロフェッショナル」使いこなせるように頑張ります(^0^)
 グラフ化をお褒めいただき嬉しいです。
 mashleyさん達の家造りの記事はいつも感心して読ませていただいています。
 先日のお風呂のタイルの記事など「凄い!」と感動しました。
 すてきな家の完成も間近いですね。楽しみにしております。

アルパカさん(id:alpacajp)
→ご訪問いただきありがとうございました。
 開始17日で読者数100人突破ですか(*^▽^*)すごいですね。
 勉強させていただきます。後ほどゆっくり読ませていただきます。

以下みなさん、ブックマークしていただき感謝です。

おとさん(id:naoto0211)
ko-chさん (id:ko-ch)
長沼さん(n_hiro123)
YUUさん(id:hate555mote)
のぞみさん(id:makisutobu-222)
キノさん(id:kanos321)

 

終わり